タイの自治体主導の統合型高齢者ケア  ~アジア健康長寿イノベーション賞準大賞 ブンイトー市の報告~

アジアでは非常に速い速度で高齢化が進んでいます。その中の先頭ランナーの一つがタイです。タイでは、国の直轄機関として地域コミュニティレベルにヘルスセンターが設立され、保健・医療・福祉全般にかかる保健ボランティアが組織化されて、地域保健・医療・福祉を担ってきました。2003年にはいわゆる「30バーツ医療制度」とよばれる、国民誰でも1回30バーツ(約100円強)で医療サービスを受けるシステムがスタート、途上国としてUHC(ユニバーサルヘルスカバレージ)を世界でも早期に実現しました。

さらに、健康増進、福祉や介護のニーズ増大にあわせて、上記ヘルスセンターはタンボン健康増進病院として機能追加され、高齢者ケアや介護の中心的役割をも担うようになってきました。ところが、「介護など福祉サービスの医療からの分離」「国から地方への分権」の流れの中で、地方自治体による高齢者ケア/介護への取り組みや、ケアマネジメント、介護保険の原型のようなシステム(介護基金)も本格的に運用開始され運用されつつあります。

まさに、いまタイの高齢者ケアシステムは様々な試行錯誤を行いながら激動のなか急速に変化しているところです。その中で、今年第一回アジア健康長寿イノベーション賞準大賞を受賞したタイ・ブンイトー市では、小規模な自治体としては他市に先駆けてコミュニティベースの統合型高齢者ケアプログラム「STRONG MODEL」を実践しています。

第一部では、日本の研究者などから、タイの自治体やコミュニティケアの様子などの講義を、
そして第二部ではブンイトー市長などからSTRONG MODELの説明をうかがいます。

※ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage : UHC)とは、「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」を指します。タイではこの制度が導入されていこう、平均寿命の伸びが大きくなったといわれています。

日時:2020年11月3日(火)16:00-18:10 (日本時間)

参加料:無料   使用言語:日本語(タイ・日 通訳付き)

定員:50名

申し込み方法: https://forms.gle/ivzu4WveVnSaZ9hb9
(または、https://nogezaka-glocal.com/2020/10/19/ahwin/ から)

実施方法:ビデオ会議システム zoom利用
(申し込まれた方には追って接続方法を連絡します)

主催:
・タイ・ブンイトー市
 コミュニティベースの医療・福祉・介護の統合型高齢者ケアを実施
 第一回(2020年)アジア健康長寿イノベーション賞準大賞を受賞
・タマサート大学社会福祉学部
 タイを代表する大学の一つ。ブニトー市支援を実施中。
・神奈川県湯河原町
 アジアへの高齢化支援に取り組む。ブンイトー市とは協力の覚書締結済み。
・ 野毛坂グローカル
 海外と日本の相互の学びあいによるまちづくりを実施するNGO団体。
 第一回(2020年)アジア健康長寿イノベーション賞国内優秀事例賞を受賞。
 ブンイトー市、タマサート市と協力協定を締結。

プログラム

第一部 16:00-17:00 タイの高齢者ケアの現状概要
・タイの自治体:永井史男教授(大阪市立大学) 
・タイのコミュニティケア:渡辺長 講師・博士(帝京科学大学) 
・湯河原町のタイの高齢化対策への協力:加藤宏翼係長(湯河原町地域政策課)
・タイの自治体主導の統合型高齢者ケア :奥井利幸(野毛坂グローカル)

第二部 17:15-18:10 タイからの報告
あいさつ:
・タマサート大学社会福祉学部 ラピパン クムホム学部長
・野毛坂グローカル 奥井利幸代表

アジア健康長寿イノベーション賞共同主催者あいさつ(ビデオ)
・日本国際交流センター 大河原昭夫理事長

ブンイトー市の統合型高齢者ケア活動紹介
(アジア健康長寿イノベーション賞準大賞)

   ブンイトー市 ランサン ナンタカウォン市長

モデレーター(予定):横山明子
JICA高齢者のための地域包括ケアサービス開発プロジェクト(S-TOP) 専門家

通訳:堀内佳美  NGO「アーク(ARC)どこでも本読み隊」代表